実写映画:ホリックxxx HOLIC レビュー(ネタバレなし)

xxxHOLIC 映画グッズ

2022年4月29日に公開された映画「ホリックxxxHOLIC」。初日に観てきました。

ホリックxxxHOLICとは

原作がCLAMPの漫画で2003年から2011年まで、週刊ヤングマガジンおよび別冊少年マガジンにて掲載。単行本は全19巻。既にアニメ化や舞台化、実写ドラマ化されており非常に人気の高い作品。

ストーリーはアヤカシ(=妖。妖怪を指す)が見える目を持つが払うことのできない高校生・四月一日君尋(わたぬき きみひろ)が、願いを叶えるミセ(=店)の主人・壱原侑子(いちはら ゆうこ)と出会うことで、それまでの逃げてばかりの後ろ向きな人生から少しずつ前を向くことができるようになる成長の物語。

CLAMPの漫画らしく、登場人物の名前は難読です。
四月一日の他にも百目鬼(どうめき)、九軒(くのぎ)、五月七日(つゆり)など主要人物の苗字だけでも読めません。※五月七日は映画には出ていません。
また、言葉の言い回しなども不可解なものが多く「厨二」心をくすぐられます。

この作品を実写映画化したのは蜷川実花監督

過去にも「さくらん」「ヘルタースケルター」「Diner」などの漫画を映画化しています。カメラマンとしても活躍している彼女の作品の特徴は「色」。色鮮やかなものが多いため好みが分かれやすいところがあります。
とはいえ、個人的には過去の映画化作品では原作の世界観を壊さず、蜷川実花ワールドに作りかえる印象があり、実写化をおこなっている監督の中では非常に好きな監督です。

大好きな漫画である「xxxHOLIC」と蜷川実花監督作品ということで期待値は高め。一方で当たり外れの多い漫画の実写化に不安もあり複雑な気持ちで観てきました。

意見が分かれそうな出演者

漫画の実写化で批判が出やすいのが配役。漫画のファンはそれぞれに想いがあるので、自分の思った配役でなければ不満が出ることも多い。私個人としては、今回の配役に関しては観る前は不安、観終わった後は納得しかありませんでした。

主人公 四月一日 君尋(わたぬき きみひろ)

主人公・四月一日を演じたのは神木隆之介さん。四月一日は最初は陰キャでとにかく後ろ向き。神木さんは見事に陰キャを演じています。
とはいえ実際の四月一日は高校生ということもあり、年齢差が少し気になりました。それでも観終わってみればそんなギャップも忘れるほどに見事に四月一日でした。

ミセの主人 壱原 侑子(いちはら ゆうこ)

ミセの主人・壱原侑子を演じたのは柴咲コウさん。侑子は何者かわからない、艶もあり優しさもあり、厳しさもある女性です。そんな掴みどころのない雰囲気は柴咲コウさんにピッタリでした。また侑子の衣装は絢爛豪華で和をベースにした多国籍・無国籍なものですがすべて着こなしてました。
とはいえ、個人的には侑子を完璧に演じられる女優さんはいないと思います。イメージに近いという意味では柴咲コウさんで良かったのではないでしょうか。

同級生 九軒 ひまわり(区のき ひまわり)

四月一日たちに関わってくる同級生・久軒ひまわりを演じたのは玉城ティナさん。正直、始まるまでこの配役だけはしっくりきませんでした。実際予告映像見てもひまわりのイメージとなんか違うと思っていました。
しかし、その不安はストーリーが進むにつれて見事に覆されました。ひまわりの抱える辛い部分、そしてそれを自分自身で受け止める強さを感じることができました。

他の配役も終われば納得

その他の配役も、映画が終わった後はどう考えても今回のこの作品であれば正解だったとしか思えません。
特にマルダシ・モロダシはファンの中ではもう少し幼いイメージだと思います。しかしながらストーリーを邪魔しないという意味ではよかったのではないでしょうか。

映画全体の感想

公開されたばかりの作品なので中身に関してはあまりネタバレしたくないので大まかに。原作の頭から籠(ロウ)の前までと言えば原作ファンには伝わるでしょう。そこまでを1本の映画にするわけですから不安しかありませんでした。
実際には世界観の説明・ストーリー展開・そしてラストまで飽きることなく丁寧に描かれていました。極限まで削りに削りつつも、削りすぎないところは監督の作品へのリスペクトを感じます。


映画やドラマでよくありがちな「アクションを魅せたい」「俳優の出演を増やしたい」などの制作側の自己満足を感じることはほとんどありません。俳優の良さはカットや映像美で魅せるところが蜷川実花監督らしい作品ではないでしょうか。原作ファン、出演者のファン、そして監督のファンにとって満足度の高い作品だと思います。

映画全体を通して何を伝えたいか、何を言いたいかが明確になっているのがとても素晴らしいです。そして見終わった後、自分に置き換えて考えさせられることもあり、いい余韻に浸ることができました。

最初にも述べましたが、作品・監督ともに万人ウケするものではありません。それでもこれは気になった方にはぜひ見て欲しいと思わせる作品です。

ホリック xxxHOLIC 公式サイト https://xxxholic-movie.asmik-ace.co.jp

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